日本の古典文学・文化を学ぶ人のためのサイトです
古典のはこでは、日本の古典文学を学ぶ、学び直すための情報をシェアしています。
現在、源氏物語の原文朗読+内容見出しの動画作成を進めています。世にたくさん出ている現代語訳ももちろんいいのですが、古文の本当のおもしろさは原文で読むことにあります(断言)。古文と言うと何だか難しい何を言っているか分からない、と思われている方々も多いと思いますが、何と言っても今の日本語と地続きの言葉です。耳で聞いて、慣れてみたら、けっこう分かってしまうものだとこれまでの経験から思っています。ただ、一人でどんどん読み進められる方はそれで良いのですが、慣れないうちは、とにかく誰かに読んでもらって、まずは耳から入ってくるのが良いだろうとつねづね思っていました。昔の姫君たちが、女房に物語を読んでもらって楽しんでいたように。今はそれが、いつでもできるようになりました。私はさながらみなさんの女房役と言ったところでしょうか。
私管理人の朗読動画の使いかたのおすすめとしては、
・見出しを見ながら聞いて、だいたいの内容をつかんでみる
・本文(+現代語訳)を手許において、一緒に音読してみる
・本文(+現代語訳)を手許において、目で追いながら聞いてみる
というやり方です。下に行くほど易しいだろうと思います。
源氏物語の本文は、ネット上にもありますが、一冊手許においてみようという方は
・岩波書店『源氏物語』(文庫)藤井貞和、鈴木日出男他編
がおすすめです。最新の注が文庫で読めます。文庫で口語訳付きがよいという方は
・角川書店『源氏物語――付現代語訳』(角川ソフィア文庫)玉上琢弥編
となります。新装版になっておりますが、中身は前のものなので、少し分かりにくいところもあるかも知れません。
詳しい注や解説があって、口語訳もだいたい同じページ内で読めるのは
・小学館 新編日本古典文学全集『源氏物語』秋山虔、阿部秋生他編
です。少しお値段が張りますが、とても便利です。古典のはこの朗読動画は、この本の段落分けに拠っています。日本古典文学全集には旧編もあって(赤い本)、古本屋さんなどでお値打ちに入手できることもあります。段落は新編と変わりません。
もちろん、お好きなように聞いて下さい。実のところ、聞き流しで睡眠導入に使えるのでは…とも思ったりしています(高校までの古典の授業、眠かった人もいるのでは)。とにかく慣れてみようの気持ちで、本格的な古典(今はまず源氏物語)の世界へ参加してみませんか。
源氏物語第一巻・桐壺巻あらすじ
どの帝の御治世であったか、さほど身分の高くないキサキが帝の寵愛を集めていた。キサキの身分は「更衣」である。父は大納言であったが、既に亡くなっており、その遺言によって宮中へ入ったのだった。取り立てての後見もなく、心細い宮仕えであった。他のキサキたち(女御や更衣)の妬み・憎しみは募っていく。
源氏物語各巻あらすじ
帚木巻 光源氏と言って、名前ばかりが大げさで、いろいろと失敗も多いのに…
空蝉巻 源氏は空蝉に拒まれ、逃げられた口惜しさに寝られず、…
桐壺巻・帚木巻の登場人物系図
読み物
古典文学にまつわるエッセイを掲載しています。
「古典とつながる」
高校までの国語の授業で、古典が好きだった、という人にこれまであまり出会えませんでした。とても残念なことだと思っています。古典文学の中には、現代を生きる私たちが失って久しいものがたくさん息づいています。それを見いだして今に生かすのは、とても意味のあることだと思っています。そうでなくても、いろいろな古典文学に出会い損ねたまま、古典というものを手放してしまうのはもったいない。
日本の人々は学校を卒業してしまうと学ぶということをやめてしまうことが多いようです。しかし大人になったからこそ学びの大切さに気付くということがあるのではないでしょうか。大人になった今、源氏物語などの古典を勉強してみたい、と思う人が多くいることを知りました。世の中にはあんちょこの類は多く出回っています。表面をなぞるにはそれでもよいでしょう。大人としてはそれでは物足りない、けれど、どうやったらいいか入り口が分からない。そういう方たちのための入り口として、このサイトを作りました。徐々にページを増やしていきます。参加していただけるような場もこしらえていく予定です。
まずは古典の原文を読みやすくするための朗読をはじめています。自分ひとりで読むよりも、音声が一緒に入ってくると、古文が今の日本語と地続きであると感じられてより早く慣れられるのではないかと思っています。
今、古典を学校で学んでいる最中、という中高生、大学生ももちろん歓迎します。そういう人たちに必要な古典のマスター法なども徐々にアップしていく予定です。
古典を読んでみる会
現在、毎月最終土曜日14:00~に源氏物語を読む会を開催しています(現在、Zoomを用いたオンライン講座)。お気軽にご参加下さい。その他、古典の基礎をおさらいする講座や、和歌の読み味わい方の講座など、開催予定です。